2021年6月21日(月) 虐待防止全体研修 第1回事例検討会が開催されました。
今回の全体研修は事例検討ということで、各グループに分かれて下記の事例について「何がいけなかったのか」「どういう対応するのが良いのか」を意見交換しました。
事例1 総務課
業務中に利用者が話しかけてきたが、忙しく軽く返事だけをして、無視した。
事例2 介護課:厨房
利用者が希望してきた食事に対し、理由もなく「できません」と即答した。
事例3 介護課①
約束やルールを守れなかった利用者に制限を与える。
(〇〇できなかったからおやつは抜き 等)
事例4 介護課②
自分で移乗できないようベッドに4点柵で拘束した
事例5 介護課③
本人の希望と支援者が必要と判断する内容が一致せず、支援者側の意見を押し通した。
各グループとも、実際にあった出来事や具体的な利用者さまの例を挙げたりしながら対応策を導き出し、代表者による発表が行われました。
まとめとして、「身障協 虐待ゼロへの誓い ~利用者の安心・安全を守る私たちのミッション~」をテキストとし、小林介護課長より、『虐待防止の取り組みを進めていくうえで、職員一人ひとりの意識を高めることが重要』で、座学で得た知識を日々の支援に活かし定着させること、日々の支援の中で直面する課題に向き合い考えること(OJT)が大切であること。完璧な人はいないので、相互注意をして職員全体の意識を高めあうことが虐待防止につながること。
そして、事例4にも挙げられている“身体拘束”について。
検討時に・・・
質問:「4点柵ではなく、片側を壁につけ、2点柵を施した場合は身体拘束にならないのですか?」
回答:「質問のケースでも、身体拘束に該当します。」
では、こういった場合は?と、議論が尽きないテーマについて、『「正当な理由なく障害者の身体を拘束すること」=身体的虐待』と言われているように、切迫性・非代替性・一時性の3つの要件が全て揃わない場合は、身体拘束を行ってはいけないとされていること。
やむを得ず身体拘束を行う場合は、しかるべき手続きを取らなければならないこと等の説明がありました。
日々、そんなつもりはなくても虐待に繋がってしまう可能性が潜んでいることを念頭に、一人の大人として利用者さまの存在を認め、何を求めているのか、何を訴えているのかを、放置せずに時間を作って話を聞き、そして、私たちが考えていることもきちんと説明をし、一方通行のコミュニケーションにならないように心がける。日々考え続けることが、虐待防止への大切な一歩になることを学びました。